「若き天文学者」
- 健司 藤井
- 2018年3月25日
- 読了時間: 2分
「10大事件」を手に取られた友人から、「表紙のフェルメールの「天文学者」の絵は、許可を得て使っているのか」、という質問をいただくことがよくある。素人の自分は詳しく知るよしもないが、出版社さんの側で必要な許可を得ていただいている。(どうも一般公開されている美術館の絵画は使用許諾が概ね問題ない一方、個人蔵の絵画は許可を取るのが難しいらしい。) その意味で「天文学者」を使った「金融リスク管理を変えた10大事件」の姉妹版にあたる「地理学者」の使用許諾が、美術館から下りなかった場合はどうしただろうか(ちなみに「天文学者」はパリ・ルーブル美術館蔵。「地理学者」はフランクフルト・シュトゥーデル美術館蔵)。 リスクマネジャーたるもの、常にリスクシナリオに対する備えはしておかねばならない。その場合の第二候補としては、17世紀後半のオランダの画家オリヴィエ・ヴァン・デューレンの「A Young Astronomer」、「若き天文学者」という絵を考えていた(ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵)。フェルメールと同時期のオランダ画家であるという理由ではなく、グローバルな金融リスク管理の趨勢を「学ぶ」日本の若き実務家、というイメージだった。 幸いにして、第一候補の「地理学者」の使用許諾が得られたため、第二候補は日の目を見ることはなかったが、 「A Young Astronomer」が表紙になっていたら、どんな印象だったか、たまに思うことがある。 【本稿については、「増補版 金融リスク管理を変えた10大事件+X」および「日本の金融リスク管理を変えた10大事件」の表紙カバーを参照されたい】

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